貧乏(びんぼう)していた時、「金光様、仕事は人の倍くらいもしますが貧乏で困ります」と申しあげたら、「それで貧乏ということはあるまい」と言われた。「でも、お金が残りませんから貧乏に相違(そうい)ありません」と申したら、「それは、どこかに無駄(むだ)があるのであろう。招かれて行くのに、先に茶づけを食べて行くようなことをしてはならない。ごちそうをいただく時には十分にいただき、ごちそうをする時には十分にしなければならない。一円の無駄をすれば十円の罰(ばち)をこうむる。それは天地が許さないからである。百円の無駄は何でもないと思うであろうが、千円の罰をこうむるから貧乏をする。無駄をしないようにすれば出世もできる」と仰せられた。(天地は語る286節)